お茶●胃にやさしい飲み物を庵主も喫茶店をやるからには、日夜がんがんコーヒーを淹れて飲んでおりますが、時々、いやけっこう、コーヒーが胃にこたえることがあります。いやコーヒーばかりか紅茶もけっこうきつい。コーヒーや紅茶は欧米人の胃に合うように進化したのであり、日本人の胃には合わないのかもしれません。 そこで、日本茶、ウーロン茶、ほうじ茶、玄米茶など、日本人が普段から飲み慣れているものを、喫茶店に来ても飲みたいと思いませんか? ●日本茶だってお代をいただきます でも、なんか、喫茶店に来たのにコーヒーを飲まないのは、損をしたような気分になることがあります。ひょっとしてそれは、コーヒーや紅茶にはカネを払うのが当然だが、日本茶やウーロン茶やほうじ茶は無料であるはず、という思いが、どこかにあるからではないでしょうか? 庵主は強気です。日本茶だってメニューに入れます。コーヒーや紅茶と同じだけのお代をいただきます。真理庵の日本茶は料理のついでに出てくるもんじゃありません。 日本茶だってちゃんとメニューに入れていい時代が到来したのではないでしょうか。 庵主が子どものころは、清涼飲料といえばコーラだのサイダーだの、今にして思えばやたらに砂糖の入った、お世辞にも健康的でない飲み物ばかりでした。砂糖の入らないものにカネを払うという感覚がなかったです。しばらくして缶コーヒーが売られるようになりましたが、それでも最初はみんなこってり砂糖が入ったものでした。 それがどうでしょう。今では夏の暑いときなど、緑茶やウーロン茶といった砂糖の入っていない飲み物から先に売り切れになるじゃありませんか。もう日本茶はコーヒー、紅茶なみのお金を払って飲むものになっているのではないでしょうか。 さて真理庵の日本茶は、あざみ野の泉園なる店から仕入れています。サイトがないのですが、あざみ野駅を降りて右側のバス停やタクシー乗り場があるほうに出て、左に出るとWEST ENDというパチンコ屋が見えますが、その左隣です。行政書士のおじちゃんが片手間にやってる小さなお茶とケーキの店で、全く見た目がぱっとしませんが、ここが実は猛烈なこだわりの店で、お茶は静岡の炭火焙煎されたものを使っています。最近は楽天あたりでも売ってるようですが、もともとお茶を炭火焙煎している茶園は非常に限られており、なかなか飲む機会がありません。ぜひ一度お試しください。 ●日本茶の入れ方 日本茶は沸騰したお湯ではなく90度くらい、上等の煎茶なら80度くらいまで冷ましたお湯を使います。湯飲み2つで数回注いだ注がれたとやってるとそのくらいになります。量は紅茶と同じで1人分3グラム。それを2-3分。ポイントは、最後の一滴まで徹底的に入れることです。そこにうまみがあるのですから。そして、2煎目3煎目をおいしくいただくためにも、湯が残っていてはならないのです。 紅茶同様、真理庵では入れた土瓶をテーブルに置いておき、お客様から2煎目3煎目のご注文があれば(茶葉を取り替えない限り追加料金は発生しません)そのつど入れ直します。 ●玄米茶、ほうじ茶 玄米茶やほうじ茶はノン・カフェイン飲料(厳密にはまるきりカフェインゼロではないが実質ゼロ)として、妊婦の方など、カフェインがとれない方におすすめです。 これらも日本茶同様にあざみ野の泉園というこだわりの店から仕入れています。煎茶と違って沸騰したお湯で、1分前後と短い抽出時間で入れます。 ●ウーロン茶 昔、中森明菜のアルバムに「哀愁魔術」という曲(詞・森雪之丞)があって、2番の出だしが「ウーロン茶の飲めるカフェで」でした。あのころ(1982=昭和57年)はまだウーロン茶が目新しく、あんなくさい茶なんか飲めないという人はざらでした。くさいというのはプーアル茶の香りを強烈にしたものだと思ってください。今の人にはわからないでしょうし、むしろよい香りだと思われているものも、なじみのない時代にはくさく感じられたのです。 それがいつの間にか世の中に浸透し、無糖の飲料としてなくてはならないものとなりました。冷たいウーロン茶は夏いやオールシーズン飲まれ、居酒屋では焼酎のウーロン茶割りも人気、それどころかお酒の飲めない人が居酒屋で頼むドリンクの定番になったと言えます。 しかしこのことでかえって、本当のウーロン茶がなじみがなくなっているのではないでしょうか。何でもアイスにするのは日本発の文化であり、本当のウーロン茶は熱いのです。最近、ホットウーロン茶召し上がりましたか? そういえばこのところ飲んでない、という方は多いのでは? ぜひこの機会に本物をお召し上がりくださいませ。 そもそも紅茶とウーロン茶は同じもの、もっといえば緑茶だって同じものです。紅茶というのは茶葉を船でヨーロッパまで運ぶ途中、発酵と言えば聞こえはいいですが、要するに変質しちゃったものなんです。それを飲んだら意外においしかったというけがの功名で生まれたものです。茶の本来の姿は緑茶です。ウーロン茶は半発酵茶。つまり緑茶の良さと紅茶の良さとを兼ね備えた存在といえましょう。 そんなわけでウーロン茶にはさまざまな品種があり、味と香りのバリエーションは紅茶以上です。真理庵はウーロン茶専門店ではないので、その時その時で一番おいしいものを仕入れ先のGclefで庵主みずから試飲してお出しする品目を決めております。 本来のウーロン茶は湯飲みの中に茶葉を入れて湯を注ぎ、ふたで茶葉をよけながら飲みます。こうすることでむしろ、香りを存分に楽しみながらちびりちびり飲めるという効果があります。が、日本でこれをやったらぎょっとされるかと思いますので、紅茶同様にポットのほうで入れることとします。ウーロン茶も2煎目がOK、というより3煎4煎いけますので、ぜひおかわりをお申し付けくださいませ。 ●ジンジャーエール 一応炭酸飲料も用意しようということでジンジャーエールを用意しました。コーラは健康上いろいろ問題のある飲み物だと思うのでおそらく今後とも提供しません。 さてジンジャーエールといえばなんといってもウィルキンソンです。舶来のものという気がしますが、実はもともと兵庫県西宮市郊外の炭酸鉱泉を利用したものです。ここのジンジャーエールは味も炭酸も非常に強烈で、一度飲むと他社製品が飲めなくなるほどはまります。2011年にペットボトルが発売されたときは、「びんのと味が違う」と悪評ふんぷんでしたが、今では昔の味が戻っています。 分量は500ミリリットル入りペットボトルです。喫茶店は風俗営業ではないので接待が禁止されておりまして、いちいちお注ぎするのは接待にあたるので禁止されております。最初の一杯だけはお注ぎしますが、残りはボトルのまま置かせていただきますのでご了承ください。 ●オレンジジュース 真理庵ではあえて果汁100パーセントジュースは出しません。ジュースは濃度が低いほうが飲みやすいのです。え、果汁100パーセントでなければ混ぜ物が入って邪悪ですって? ではお伺いしますが、コップ1杯の果汁100パーセントオレンジジュースを作るのに、オレンジが何個必要でしょうか。1個や2個じゃ無理なことは明白ですよね。それだけの大量のオレンジを一度に食したら? どう考えたって糖分とりすぎです。果糖は蔗糖(グラニューなど)に比べて善玉かもしれませんが、それでもこんなに取ったら取り過ぎです。 では何を出すかということで、最近はやりの、フランスの国民的清涼飲料オランジーナを選びました。フランスとはいってもアルジェリア発のようで、戦後にフランス本土で爆発的にヒット、アルジェリア独立でフランス企業になり、今ではサントリーに買収されました。 日本で売られているものは本家フランスのものとは味が違い、しかもサントリーがかかわっているということで、反サントリーの私はなんか邪悪なことがなされたような気がしておりましたが、いろいろな人に聞いてみたところ、むしろ改良されているとのことです。つまり、本家フランスではあまり冷やさないで提供されることが多く、それだと炭酸を強くせねばならない。それを、必ず冷やして提供する日本の環境に合わせて微炭酸にし、冷えていることで元の分量ではオレンジの味があまり感じられないので味を濃厚にしたんだそうです。これに関して悪い話を聞かないので、「サントリーのやることだしな」と半信半疑なのですが、とりあえずこれを出します。もっといいものがあったら変更するかもしれませんし、まれに本家フランス版が入手できることもあるらしいので(→参考)今後もいろいろ検討してみます。 日本版オランジーナは420ミリリットル入りという独特なサイズのペットボトルです。ジンジャーエール同様の理由で最初の一杯だけはお注ぎしますが、残りはボトルのまま置かせていただきますのでご了承ください。 ●トマトジュース これに対してトマトジュースは100パーセントであっても糖分の問題はありません。もっともそのかわり、塩分の問題があるでしょう。最近では無塩トマトジュースも多くなりました。最初は物足りないかもしれませんが、ゆっくり味わって飲むようにすれば、トマト本来の味がよく楽しめることと思います。どうしてもということでしたら、テーブルの岩塩を砕いて入れてください。 真理庵では北海道旭川市の谷口農場のゆうきくんをそのままお出しする予定です。有機肥料のみで完熟したトマトを使用したこのジュースを飲むと、そんじょそこらの大手メーカーのものは飲めなくなります。そのかわり猛烈に高いのでお値段は一般ドリンクメニューと同じにしてあります。薄まるのを防ぐためあえて氷は入れませんし、どろどろしているのでストローで飲むのは快適ではないのでおつけしません。必要でしたらお申しつけください。 ●その他いろいろ こんなわけで真理庵ではコーヒー、紅茶以外のメニューも充実させる予定です。なにぶん庵主一人でやってる店なのでなかなかメニューの拡充に手がまわらないのですが、メニューを追加したらその都度このページをふくらませていきます。 |