サラダ

●野菜を食べましょう
 この仕事を始める前に、イエスやパウロの活躍した場を見ておこうと、庵主はイスラエルやトルコを旅行してきましたが、一番感銘を受けた料理はサラダです。団体旅行だったのでどこへ行ってもバイキングでしたが、単にカットされて盛られている野菜がどれもおいしい。たとえばキュウリなんかズッキーニと見まがうばかりの太さなのに決して大味薄味ではなく、メロンのようなほのかな甘みさえある。このような生野菜が数多く取り放題、しかも何もかけなくてもおいしいのです。
 これを食した庵主は、ぜひこれを日本で実現させたいと思ったのですが、すみません、どうやっても無理です。日本ではこんなおいしい生野菜は手に入りません。生野菜は輸入はおろか国内の産地からの通販も難しく、どうしたって近隣から手に入れなければなりません。喫茶店は小口取引なので、要は皆様と同じようにスーパーで仕入れなきゃならないのです。
 それでも野菜は大切です。3度外食したりすると、どうしたって野菜不足になります。量はわずかでも、真理庵ではお食事メニューには必ずつけることとします。
 本来はサラダおかわり自由なんて言いたいところですが、いま(2014年)野菜は猛烈に高いのです。天候不順や台風被害などなくても、日本では野菜が安くなることはないでしょう。なのですみません。100円ずつ払ってください。

●マヨネーズは自作です
 もともと庵主はマヨネーズが好きではありません。いや、昔は好きだったのですが、テレビのニュースでマヨラーなる人々の話を知り、その常軌を逸したマヨネーズの食べ方を見て、それがトラウマになって、マヨネーズの味が気味悪くなっちゃったんですね。
 何がイヤかって、酸っぱすぎるんですよ。酸っぱいだけならビネガーかけたほうがましです。
 そこでマヨネーズは自作します。なあに、ちっとも難しくありません。卵黄1個、酢小さじ1、油120ccというのが標準的な配合比。まず卵黄と酢を攪拌、ついで油をゆっくりたらしながら攪拌させます。油が入るにつれて固まってきますので頃合いを見て油をやめます。これだけです。
 油はお好みのものをどうぞ。ごま油を使えばそういう味のついたマヨネーズになります。真理庵では油にオリーブ油を使っています。体への良さを考えてのことです。オリーブ油はオリーブのジュースともいえ、そのまま飲んでも大丈夫なほどです。が、エクストラバージンオイルはお嫌いな方がままいらっしゃるようなので、精製されたものを使っていますが、ホンネをいえばエクストラバージンを使いたいんですけどね。

●卵
 マヨネーズに用いている卵は、お茶を仕入れているあざみ野の泉園から仕入れています。10個500円、つまり1個50円ですよ。まあ普通のスーパーの卵の約2倍、べらぼうに高いですね。品質もいいが値段も高いことで知られる成城石井にだってこんな高い卵は置いてません。ちなみに原価は450円、いろいろ買ったお客様には原価で頒けているらしいです。それじゃもうけがないじゃありませんか。
 これだけ高価なのにはわけがあります。この卵は有機飼料だけを鶏に与えて産ませたものなのです。どういう人が買うのか聞いてみたら、お医者さんらしい。絶対にこの卵しか買わないというお医者さんもいるらしいです。お医者さんは患者には平気で抗生物質を投与するのに、ご自分は絶対に摂らないらしい。
 この話を聞いて庵主は、この卵しか仕入れないことに決めました。
 卵黄を使ったときはどうしても卵白が無駄になります。そこで真理庵ではスープの具にしています。卵白が入るのはマヨネーズを作った後なので、卵白が入っていたら「ああマヨネーズを作ったんだな」と思ってください。